日本取締役協会(JACD)の意見書: 「取締役会の監督機能の充実に向けた機関設計に関する提言~柔軟設計型委員会設置会社の導入に向けて~」

[日本取締役協会のHPより]

(社)日本取締役協会・会社法制委員会(委員長:中鉢良治・ソニー株式会社 代表執行役 副会長)は、本日、法務省に対し、会社法制見直しに関する第1段階目の提言として、現行の委員会設置会社制度に関し、制度設計の柔軟化を可能とする改正を求める意見書を提出しました。
法改正(制度設計の弾力化)を求める理由は次の通りです。詳細は、意見書をご覧下さい

① 平成14年の法改正で導入された現行の委員会設置会社制度の普及は必ずしも進んでいないが、現在法制審議会・会社法制部会で会社法制見直しの議論がなされている中、現行委員会設置会社制度についての議論が必ずしも十分になされていないと見受けられること。

② 現行の委員会設置会社制度自体がやや硬直的な制度であること等も原因となって、既に委員会設置会社制度を採用している企業からも当該制度の利便性等に関する問題が指摘されていること。

会社法制委員会の意見の内容は次の通りです。

日本取締役協会・会社法制委員会と致しましては、わが国のコーポレート・ガバナンスの一層の向上を図ることを目的として、わが国においてもモニタリング・モデルに基づいた企業統治制度がより定着して行くことを確保すべく、現在議論されている会社法制見直しに伴い、現行の委員会設置会社制度はそのまま維持しつつも、新たに下記の柔軟設計型委員会設置会社制度を採用することを可能とする制度改正が行われるべきであると考えます。

① 取締役会の過半数が「独立取締役」で構成されていることを条件として、現行の委員会設置会社における、いわゆる必置三委員会(監査・指名・報酬)の設置義務を解除し、会社が必要と考える任意の委員会を設置することができるものとする(以下「柔軟設計型委員会設置会社」という。)。なお、柔軟設計型委員会設置会社制度を採用するためには、定款でその旨定めることを必要とするものとする。

② 各委員会の権能、構成員の要件及び決議要件等は、原則として、柔軟設計型委員会設置会社が定款又は定款所定の授権規定に基づく取締役会規則により任意に定めることができるものとする。但し、現行の委員会設置会社における監査・指名・報酬委員会のいずれかに相当する委員会が設置された場合には、それらの委員会の決定のみが終局的に柔軟設計型委員会設置会社を拘束するものとするためには、当該委員会の構成員の過半数が独立取締役でなければならないものとする。

③ 柔軟設計型委員会設置会社には、執行役を設置するものとし、監査役・監査役会を設置することはできないものとする。なお、柔軟設計型委員会設置会社における執行役の権限、選・解任手続、任期その他の枠組みについては、原則として現行の委員会設置会社制度における執行役と同様とする。

意見書

http://www.jacd.jp/news/law/111130_01report.pdf

BDTIについて BDTIでは、取締役や監査役など役員として、また業務執行役、部長など役員を支える立場の方としての基本的な能力を身に着けるための役員研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。(オーダーメイド役員研修も、承っております。)また、「会社法」「金商法」「コーポレートガバナンス」の基礎をオンラインで学べる低価格のeラーニングコースを提供しています。詳細はこちらから。講座の概要は以下の通りです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください