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2018.07.30 会社役員育成機構(BDTI)セミナー『中期経営計画と取締役会の役割・評価 ~日本企業の中期経営計画はガラパゴス化している?~』
今や日本では策定・公開することが上場企業として当然のことと思われ、また投資家の関心も高い中期経営計画ですが、実は欧米企業のものとは大きく性格が異なることは意外に知られていません。一方で発表された中期経営計画の中で掲げられた数値目標の多くが、結果的に未達に終わっているという指摘がでてきています。
コーポレートガバナンス・コードで【『取締役会・経営陣幹部は、中期経営計画も株主に対するコミットメントの一つであるとの認識に立ち、その実現に向けて最善の努力を行うべきである。仮に、中期経営計画が目標未達に終わった場合には、その原因や自社が行った対応の内容を十分に分析し、株主に説明を行うとともに、その分析を次期以降の計画に反映させるべきである。』(基本原則4】補充原則4-1②)とされる中期経営計画の現状と実態に迫る実証分析結果が一橋大学大学院でディスクロージャー、IR、コーポレート・ガバナンス研究を専門とされる円谷昭一准教授の研究グループ(一橋コーポレート・ガバナンス研究会)から発表されました。
そこで本セミナーでは、円谷昭一准教授をお迎えして、中期経営計画の位置づけ、海外企業との比較、経営目標と達成率、これに基づく取締役のパフォーマンス評価、株式持ち合いと業績の関係やコーポレート・ガバナンスへの影響等についての研究結果をご報告いただくと共に、パネルディスカッションでは、首都大学東京社会科学研究科(大学院)教授の松田千恵子氏に加え、日本マクドナルドホールディングス株式会社社外取締役で当機構理事の上田昌孝、司会の当機構代表理事ニコラス・ベネシュも交え、コーポレート・ガバナンスの視点から日本の中期経営計画の現状と今後について改めて考えたいと思います。
取締役会メンバーのみならず、自社の中期経営計画策定に係る方、投資家サイドのアナリストの皆様にも広く積極的にご参加いただきたいセミナーです。
経営法友会レポート「役員研修に関するアンケート結果の分析と今後の課題」2016年2月号
2016年の経営法友会のレポートに会社役員育成機構(BDTI)にとって興味深い「役員研修に関するアンケート結果」が掲載されていますので、一部抜粋してご紹介します。
- アンケート実施時期:2015年6~7月
- 回答社数:176社(連結売上高1,000億円以上の会社が73.3%)
「CGコードの原則4-14の文言「上場会社の重要な統治機関の一翼を担う者として」から、監督者としての役割を期待しているとも読み取れる。ただし、これまで日本の上場会社の役員研修は、この監督者としての能力向上を目的とすることに重きが置かれてこなかった。・・・取締役、特に社外取締役によるモニタリング能力の向上も視野に入れる必要がある。
- アンケート結果から見える問題と今後の課題
1.役員研修の実施率について
役員研修実施率は社内取締役に対して53.9%、社外取締役に対して28.9%。アンケート回答会社の73.3%が連結売上1,000億円以上ということを考慮すると、実施率は低いという印象が拭えない。・・・就任時に十分な知識を習得しているケースは稀であると考えられ、役員研修を実施しないことは、新任の取締役に対していささか酷ではないかとの感がある。
株主利益を無視?―取締役は買付価格にして1.6倍 明らかに好条件の対抗提案を無視できるか
日本のM&Aに一石を投じる案件である。投資ファンドのアスパラントグループが和装のさが美の株式を、さが美の親会社であるユニー・ファミリーマートHDから56円で買い取るTOBを公表したのは8月17日。続く9月27日、こちらも投資ファンドのニューホライズンが、ユニー・ファミリーマートとに対して70円でさが美株式を買い取るという対抗提案を申し入れ、さらに30日には90円に引き上げている。買付価格にして1.6倍、この経済的には明らかに好条件の提案に対して、しかしながら、ユニーはいまだ沈黙を続けたままだ。
日本企業においては、企業価値の最大化が経営陣の第一義的な責務とは、必ずしも考えられてこなかった。ある意味、個人株主の経済的利益をおざなりにしてきたこの企業風土にメスを入れるのが、昨今のコンプライアンス改革である。
日本企業のコンプライアンス意識は果たして変わったのか。ニューホライズンの提案に対するユニー・ファミリーマートの対応は、その試金石となるだろう。事案を詳ししく見ていこう。
CG向上に不可欠な『役員力』強化のための唯一の公益法人BDTI
月刊『人材教育』8月号にBDTIの記事広告を掲載しました。
需要が増加している一日役員研修の他、昨年来充実を図ってきたe-Learningの『会社法』『金商法』『コーポレート・ガバナンス(基礎編)』『コーポレート・ガバナンス(実践編)』の全講座を何名でもご利用できる法人向け研修ツール『e-Learning無制限パッケージ』をご紹介しています。
2016.07.11 会社役員育成機構(BDTI)セミナー『突然のTOB-その時どう動く?』
日本企業が海外企業を買収するM&A案件が増加しています。キャッシュリッチな企業が資金の運用先を求め、また先細りする国内需要を海外需要で補う狙いがあるようです。世界的には、同一業界内の企業が関わる大型M&Aが目立ち、大きな業界再編が見込まれています。海外投資ファンドによる日本企業の買収意欲も衰えていません。ある日突然、自社がTOBの対象企業となる、それはどの企業も意識・準備しておくべき事態と言えるでしょう。
他方で、買収防衛策を廃止する企業が増えています。理由は、様々のようですが、金商法によっても、大量買付行為に際して適切な判断をするのに必要な情報・時間が確保できる、という見方もあります。しかし、「敵対的買収者が現れた場合にどうすべきか」では、遅くに失し、株主その他のステークホールダーに対しての責任は十分に果たせなく恐れがあります。当然、社内取締役を含む会社マネジメントは備えを十分に行っておく必要があります。しかし、より重要なのは、独立社外取締役の役割です。
コーポレートガバナンス・コードの制定により取締役会の行為基準は変化し、ステューワードシップ・コードの制定により株主としての機関投資家も、過去とはことなる行動様式を示す可能性があります。敵対的買収者と言っても、その性格及び作戦は異なり、対象会社の取るべき行為も、それに応じて差異が出てきます。
本セミナーでは、独立社外取締役が、様々な敵対的買収者に柔軟に対応できるよう、軸となる考え方を提示します。