「[東京 27日 ロイター] – ファナック(6954.T: 株価, ニュース, レポート)は27日、連結配当性向を従来の2倍の60%に引き上げると発表した。また、今後5年間の配当金と自己株取得の合計額が当期純利益の最大80%の範囲内で自己株を取得することも併せて決めた。同社はこれまで株主との対話に消極的だったが、米ヘッジファンドの批判を受け、4月にシェアホルダー・リレーションズ(SR)部を新設するなど対話路線に舵を切った。今回の株主還元強化策もこの一環と言えそうだ。
株主還元強化に伴い、同社は2015年3月期の1株当たりの期末配当金を491.93円(前期末93.26円)に増額する。また、自己株式の保有は発行済株式総数の5%を上限とし、超える部分は原則として毎期消却することも決めた。
ファナックをめぐっては、同社株を取得した米ヘッジファンドのサード・ポイントが大規模な自社株買いと配当引き上げを要求。さらに、同社の取締役会が株主の利益を追求していないとして、社外取締役の増員などを求めていた。
同社は同日、三菱重工業(7011.T: 株価, ニュース, レポート)の佃和夫相談役とエア・ウォーター(4088.T: 株価, ニュース, レポート)の今井康夫社長を新任取締役候補として6月26日開催予定の定時株主総会に提案することも併せて発表した。」
(志田義寧)