品質データ偽装事件と経営者の倫理(山口利昭弁護士ブログ)

山口利昭弁護士が同氏ブログにて『品質検査データ偽装事件の発覚経過を機関投資家はどうみるか?』というタイトルで機関投資家の視点について『「組織ぐるみ」でないかぎり、またステイクホルダーに多大な損害が発生しないかぎりは機関投資家の企業評価自体は下がらないとみています。要はこのような不祥事発生への経営陣の関与、不祥事発覚時の経営陣の対応が全てであり、「この社長の言動に表と裏がないか」というところが機関投資家の注目点』とコメントしています。

『企業にとっては不祥事対応は「リスク管理」かもしれませんが、機関投資家にとっては不祥事対応は「企業倫理」とりわけトップの倫理観のほうが重視されると考えています(それにしても社内の常識と社外の常識がこれほどまでにズレが生じた例は珍しいのではないでしょうか)。今回の一連の品質データ偽装事件は、コンプライアンス経営とは何か、あらためて見つめ直す機会になりました。』

『「あとで株主代表訴訟に耐えられない」とか「その発言は取引先や行政に迷惑がかかる」さらには「どういった場合に公表すべきか、その判断ルールを社内で策定すべき」といったリスク管理的感覚でモノを言うのではなく、経営者が心底から他人に迷惑をかけるやり方で儲けない、といった気持ちがあるのかどうか、そこを知りたいのが機関投資家だと思います。』

BDTIの一日役員研修『国際ガバナンス塾』では、コーポレート・ガバナンスのセクションにて役員会の中核機能の一つとして、自社の一番重要な価値・倫理観、プライオリティ=“tone at the top” (トップのトーン)を決め、取締役が率先してこれを社内外で絶えず唱えて確認することを強調しています。次回の『国際ガバナンス塾』はすでに満席ですが、2月15日(木)、3月28日(水)はお申し込み受付中です。

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