「日本企業の ESG スコアは12 年比小幅改善」 - 野村証券レポート

「社会・企業統治スコアの向上に必要   な成長戦略の着実な遂行

日本企業のESG スコアは2013 年に小幅改善
イタリアの独立調査会社である ECPI 社の算出しているESG スコアを基に野
村證券で集計した地域別、セクター別スコアをアップデートした。13 年の日本
企業のESG(環境、社会、企業統治)スコア(10 月21 日現在)は40.3 と、12
年(11 月16 日現在)の38.9 から改善した。内訳をみると、E(環境)、SG(社
会・企業統治)スコアとも改善を示した。

GICS10 セクター中6 セクターでESG スコアが改善
GICS(世界産業分類基準)10 セクター別にみると、日本企業のESG スコア
は10 セクター中6 セクターで改善を示した。特に、資本財・サービス、金融で
の改善幅が他のセクターを上回った。一方、公益事業、エネルギー等3 セクタ
ーではスコアが悪化、電気通信サービスでは不変であった。

電気通信サービスやヘルスケアなど7 セクターでは全地域平均を上回る
また、13 年の各セクター別ESG スコアを国際比較すると、電気通信サービス
やヘルスケアなど7 セクターでは、日本企業が全地域(北米、欧州、日本、日
本を除くアジアなどその他)平均を上回っており、国際的に見てESG の水準
が高いことが分かる。ただし、SG スコアが全地域平均を上回っているのは5
セクターにとどまっている。一方、ESG スコアが全地域平均を下回る3 セクタ
ーの中では、公益事業の全地域平均との差が最も大きくなっている。

成長戦略の着実な実行がSG スコアの更なる改善、向上に必要

日本企業全セクターの ESG スコアとその内訳であるE スコア、SG スコアを
全地域平均と比較すると、ESG スコア、E スコアは全地域平均を上回っている
が、SG スコアは下回っており、改善の余地があると考えられる。安倍政権下
で議論されている成長戦略の中で謳われている社外取締役の導入促進など、
コーポレートガバナンスに関連した施策を着実に実行することが、日本企業の
コーポレートガバナンスの底上げにつながり、結果的にSG スコアの更なる改
善、向上にも資することになると考える。

レポート :

http://bdti.mastertree.jp/f/dk1nzya5  

BDTIについて BDTIでは、取締役や監査役など役員として、また業務執行役、部長など役員を支える立場の方としての基本的な能力を身に着けるための役員研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。(オーダーメイド役員研修も、承っております。)また、「会社法」「金商法」「コーポレートガバナンス」の基礎をオンラインで学べる低価格のeラーニングコースを提供しています。詳細はこちらから。講座の概要は以下の通りです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください