メトリカル:コーポレート・ガバナンスが高い会社はROEが高いことが多いが、その逆は少ない

東証が「資本コストや株価を意識した経営」(いわゆるP/B引き上げ)を要請してから1年経過しました。プライム市場およびスタンダード市場上場会社は対応策を開示するよう要請されています。3月末時点で開示したプライム市場上場会社は半数超の885社です。3月決算会社が本格化するともっと多くの会社が開示することになります。最近の開示では、東証が開示資料の好事例を公表した成果もあって、資本コストに言及したら、ROEを分解して目標値を示す会社も出てきました。

2年前にも東証はプライム市場などの上場基準に適合できない経過措置適用会社に対して、対策の開示を要請しました。経過措置適用会社の課題は流通時価総額が上場基準(プライム市場の場合は100億円)に適合しないため、株価を上昇させることでした。その対策のための開示資料の多くが、売上高増加および自己株式買い戻しによるEPS増加に加えて、P/Eの拡大というものでした。EPS増加にしても前提条件に依存するので不確定要素が多いのですが、P/Eにおいては経営者がコントロールできるものではないので、とても信頼性が低いものでした。それゆえか、多くの経過措置適用会社は上場基準を維持できずにプライム市場からスタンダード市場に移行していきました。

CG Top20株価パフォーマンス(2024年10月)

10月の株式相場は与党苦戦予想の警戒感からの下落を総選挙後は円安と堅調な米国株式相場を背景に月末にかけて上昇。
10月のCG Top20株価はTOPIXおよびJPX400の両株価指数に対して6ヶ月連続のアウトパフォーマンス。

10月の株式相場は前月末の急落から米国株相場高から買い戻し先行で上昇して始まった。その後は総選挙で自民党が苦戦するとの見方から投資家はリスク回避姿勢を強めた。総選挙後はあく抜け感と円安、米国株相場高を背景に反発して引けた。
10月のパフォーマンスは、TOPIXおよびJPX400の両株価指数がそれぞれ1.95%および1.71%上昇した。CG Top20株価は2.03%の上昇と両インデックスに対してアウトパフォーマンス継続。

CG Top20は7月1日より構成銘柄が見直されました。荏原製作所(6361)、テクノプロ・ホールディングス(6028)、ENEOSホールディングス(5020)、イノテック(9880)、ユナイテッドアローズ(7606)、パーソルホールディングス(2181)が新たに加わり、H.U.グループホールディングス(2146)、花王(4452)、ワコム(6727) 、ケーズホールディングス(8282)、エーザイ(4523)、トレンドマイクロ(4704)が外れました。構成銘柄の詳細は下記の表の通り。