リスクテイクなければリターンなし。コーポレートガバナンス・コード原則4では「取締役会の経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと」を取締役会の役割と責務としている。しかしそれはそう簡単ではない。多数の環境要因が企業のリスクテイクを阻害しているのだ。阻害要因を取り除かずにリスクテイクを叫んでも効果は期待できないだろう。
近時、政策保有株式、退職給付負債、取締役会のメンバー構成、株主構成等が経営陣の行動にもたらす効果の実証研究が進んでいる。これらの最先端研究は、政策保有株式を議論し、リスクテイクや資本コストを真剣に考える取締役会にとって有益な情報となるだろう。本ウェビナーでは、当代きっての研究者をお迎えし、最近発表された研究成果のご紹介、取締役会へのアドバイスを頂きます。
講師:井上光太郎氏 東京工業大学工学院経営工学系教授。日本ファイナンス学会会長 田中亘氏 東京大学社会科学研究所教授 野間幹晴氏 一橋大学大学院経営管理研科教授。バンダイナムコホールディングス社外取締役、ナイス社外監査役、ダーウィン・キャピタル・パートナーズ社外監査役、経済産業省企業報告ラボ座長 円谷昭一氏 一橋大学大学院経営管理研究科准教授。日本IR協議会客員研究員、金融庁「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」委員、りそな銀行「責任投資検証会議」委員
開催日時: 2020年12月21日(月曜日) 15:00ー17:10 (2時間10分)
開催方法: インターネットでウェビナー形式 登録手順:
① 以下のボタンをクリックして2020.12.21 【無料】ウェビナーのセミナーへ申し込む
② お申込み確認後、BDTIよりアクセス先URL、IDなどの詳細についてご連絡します
※何等かの質問、ダウンロードなどお困りごとなどがあれば info@bdti.or.jp までお気軽にご連絡ください。
参加費: 無料
※本セミナーへのご受講は事前のお申込みが必要となります。(12/18) 12:00時までにお手続きください。)
■お申込方法:無料お申込みは以下のボタンをクリックしてください。(BDTIホームページの登録サイト( https://bdti.or.jp/event-registration/ )へジャンプします。)
【講師紹介】
井上光太郎氏
1989年東京大学卒業、1997年マサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了(MBA)、2003年筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士課程修了(経営学博士)。日本債券信用銀行(当時)、KPMGのM&A部門ディレクターを経て、2003年より名古屋市立大学大学院経済学研究科助教授。2007年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授を経て、2012年4月より東京工業大学工学院経営工学系教授。経済産業省「公正なM&Aの在り方に関する研究会」委員、「事業再編研究会」委員など歴任。現在、日本ファイナンス学会会長。
◆Enjoying the quiet life: Corporate decision-making by entrenched managers, Journal of Japanese and International Economies 47, 55-69.米国経済研究所NBER WP23804にも収録され、Harvard Law School Forum on Corporate Governance、Harvard Business Reviewにも本論文の概要紹介記事あり。池田直史、渡部翔と共著。国内企業パネルデータを用いて持合い株式が経営者の経営努力水準を低めることを通して日本企業にもたらすコストと、その問題に対する機関投資家の緩和効果を示した。
田中亘氏
1996年東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科助手、成蹊大学法学部専任講師、同助教授、同准教授、東京大学社会科学研究所准教授を経て、2015年4月より東京大学社会科学研究所教授。2010年シカゴ大学ロースクール客員准教授。博士(法学)(東京大学)。
◆「政策保有社外役員工作と企業価値」(REITIディスカッション・ペーパー[胥鵬・高橋秀明との共著]、2019年9月)2011年-2018年の東証一部上場企業役員データを用いて分析した結果、企業価値が低いほど、政策保有割合が高いほど、外国人機関投資家の圧力が弱いほど、社外役員のうち政策保有先等の出身者が半数以上占める傾向にある。
野間幹晴氏
1997年一橋大学商学部卒業。2002年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了、博士(商学)。2002年横浜市立大学商学部専任講師、助教授を経て2004年一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授、准教授を経て、2018年一橋大学大学院経営管理研究科准教授。2019年一橋大学大学院経営管理研究科教授。バンダイナムコホールディングス社外取締役、ナイス社外監査役、ダーウィン・キャピタル・パートナーズ社外監査役、経済産業省企業報告ラボ座長。
◆「退職給付に係る負債と企業行動」(中央経済社、2020年7月)2020年度・第63回「日経・経済図書文化賞」受賞。なぜ、日本企業はリスク回避的・保守的な行動を選択するのか。本書第1部では、内部負債に関する先行研究を敷衍すると同時に、論点の所在を明確にしている。第2部では、退職給付に係る負債とリスクテイクとの関連について実証分析を展開する。第3部は、退職給付に係る負債と、企業の株主還元政策や現金保有との関連について検討し、第4部では、退職給付に係る負債と企業行動について考察する。
円谷昭一氏
2001年一橋大学商学部卒業。2006年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了、博士(商学)。埼玉大学経済学部専任講師、准教授を経て、2011年より一橋大学大学院経営管理研究科准教授。日本IR協議会客員研究員、金融庁「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」委員、りそな銀行「責任投資検証会議」委員。
◆「政策保有株式の実証分析 失われる株式持合いの経済的効果」(日本経済新聞出版、2020年6月)多く持つほど利益率が低く、取引関係の維持・強化にはつながらない。買収防衛、高株価維持、取引先との関係強化など様々な目的で導入され、“根雪”のように残る株式持合い。綿密な分析から、もはやそのメリットが乏しいことを明らかにする。
【パネリスト】
ニコラス・ベネシュ BDTI 代表理事。米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。旧J.P.モルガンにて11年間勤務。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格、ロンドンと東京で証券外務員資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の理事兼成長戦略タスクフォース座長を務める。2010年より、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対して意見を提供している金融庁主催コーポレートガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会 議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシール、イマジカグループ(証券コード:6879)の社外取締役を歴任した。その他、JTP代表取締役として数多くのM&Aアドバイザリーを務めた経験を有する。現在、アドバンテスト社(証券コード:6857)の独立社外取締役を務める。2013年より、日本の成長戦略の一環として金融庁主導のコーポレートガバナンス・コードの策定構想を提案し助言を行う。
【総合司会】
市川佐知子 BDTI監事、田辺総合法律事務所弁護士。 東京大学法学部卒業。ジョージタウン大学ローセンターLLM取得。第一東京弁護士会・ニューヨーク州弁護士登録。米国公認会計士資格を有し、不正会計事件の危機管理、訴訟対応を得意とする。現在、株式会社良品計画の社外監査役を務める。
■本セミナーに関するお問い合わせ先
公益社団法人会社役員育成機構(BDTI)の事務局までお願い致します。
TEL: 03-6432-2337 FAX: 03-6432-2338
Email: info@bdti.or.jp Web: http://bdti.or.jp/