メトリカル:買収防衛策条項撤廃はどのくらい進んだのか?

様々なコーポレートガバナンス評価項目の中で、以前より比較的進んでいたのが買収防衛策条項の撤廃でした。下表は約1,800社の2018年3月と2020年2月のデータの比較を示しています。

2018年3月から2020年2月までの期間で、買収防衛策条項「なし」の会社数(調査対象ユニバースで調査)は1,501社から1,537社に増加しました(全体に対する率は83.6%から87.4%に増加)。2015年7月のコーポレートガバナンス・コードの導入以来、最も取り組みが進んできたCGプラクティス項目ということができます。3月決算会社の集中する6月の株主総会でさらに多くの会社が買収防衛策条項を撤廃することが望まれます。

しかし、注意しなければいけないのは、買収防衛策条項「なし」の会社でも、「当社の企業価値・株主共同の利益への影響を判断し、適切と考えられる措置を講じます(任天堂コーポレートガバナンス報告書より抜粋)」。と謳っている会社があります。事と場合によっては買収防衛策が発動される可能性があり、そのような会社はすでにその体制も整えている(「このような場合に備えた体制については既に整備しています(同上)」)ことに注意を払う必要があります。従って、上の表のデータの買収防衛策条項「なし」の会社の中にそのような会社が含まれていることを理解すべきです。個々の会社において、買収防衛策に関する考えを把握しておかなければなりません。

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株式会社メトリカル
エグゼクティブ・ディレクター
松本 昭彦

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