「企業は現職の取締役が保有する資質・背景を棚卸をした上で、社外取締役のジョブディスクリプション(job description、職務明細書)を準備する必要があります。一方、社外取締役候補者となるにはジョブディスクリプションに見合う資質・背景を持っていることを示す必要があり、それは現職を離れても通じる、すなわちスキルのポータビリティも含みます。
同ガイドラインでは相談役・顧問が他社の社外役員として活躍することを推奨していますが、それには彼らが改めて自分のキャリアを見つめ直し、外部に発信する必要があります。ただし現実には現経営陣から好待遇を受けることによりそのインセンティブが削がれることも多い可能性があります。一方、これから取締役候補者を目指す人材はこのポータビリティを意識してキャリアを積んでいく必要があります。日本では即座の解消が難しい社外取締役候補者不足問題ですが、後者の方がこの状況の解消に有望と言えるかもしれません。」