2016.11.14 会社役員育成機構(BDTI)セミナー『~エンゲージメントの前に経営者が知っておきたい~ 「投資される経営」とは? 長期的な企業価値創造のための経営視点とスキルとは?』

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近年、政府の成長戦略の柱のひとつとして企業の「持続的成長」、「企業価値創造」が頻繁に論じられるようになりました。また、スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードが策定され、機関投資家は企業との「エンゲージメント(対話)」に積極的に取り組むことが求められています。そして、企業にはこれらの投資家に対し真摯に説明する姿勢が要求されています。ところがこの両者の対話が望まれるほど噛み合わないケースが対話機会の増加と共に増えています。要因は双方に存在しますが、今回は投資家サイドの論客をお招きし、企業経営者、特に取締役会のメンバーに長期投資家の視点から自社がどのように見えるか、今後どのように見せたいのかを考えていただく機会とするセミナーを開催いたします。

最初にみさき投資株式会社代表取締役社長で6月に日本経済新聞出版社から『投資される経営 売買される経営』を上梓された中神康議氏をお招きし、日頃の企業との対話の中で経営者から出される「なぜあの会社は長期投資され、うちの会社は短期売買ばかりされるのか…。」「うちは長期投資ですと言いながらいつの間にか売り抜けられていたり、業績が悪い競合のほうがむしろ長期に投資されていたりするのはなぜか?」といった疑問に投資家の実像を明らかにしながらお答えいただくと共に、長期投資家が投資したいと考える経営について、また短期売買される経営との分岐点とはなにかを実例を交えながら語っていただきます。

続いて、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授の野間幹晴氏が、日米企業のROEの格差、そして日本企業が企業価値を向上する戦略について議論します。直近でS&P500に含まれる米国企業のROEは平均約20%であるのに対して、日本企業のROEは9.5%にとどまっています。こうした現状を踏まえ、オープン・イノベーション、技術力に依拠しない新たな次元での顧客価値の創出、運転資金(現金回収日数、CCC)の改善、投下資本回転率の向上、不採算事業・製品からの撤退など、日本企業がROEを高めるうえでの課題について論じます。加えて、株主還元は重要であるものの、過大な株主還元は必ずしも企業と投資家にとって望ましくないことも説明します。

最後にBDTI代表理事ニコラス・ベネシュも加わり、企業価値創造を実現するための課題と解決策のヒントを多様な角度から意見交換いたします。

【開催日時】  2016年11月14日(月曜日)13:30-16:30(開場13:00)

【開催場所】  一橋大学一橋講堂 中会議室1&2
(東京都千代田区一ツ橋2丁目1番2 学術総合センター内)
http://www.ics.hit-u.ac.jp/jp/direction/index.html

【参加費】   5,000 円 (税込)(一般、非会員)/ 3,000 円 (税込)(賛助会員)

【定員】    80名

★お申込みは以下のボタンをクリックして下さい。

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【講師・パネリスト紹介】

講師: 中神 康議 氏
みさき投資株式会社代表取締役社長

大学卒業直後から経営コンサルティング業界に入る。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュ ア)、コーポレイトディレクション(CDI) で約20年弱にわたり、幅広い業種でコンサルティングに取り組む。数多くのクライアント企業価値向上の体験を元に、『働く株主®』投資モデルの有効性を確信。 2005 年に投資顧問会社を設立し、数々のエンゲージメント成功事例を生んできた。2013 年にはみさき投資を設立し、新ファンドをスタートさせた。 近著に『投資される経営、売買される経営』(日本経済新聞出版社)
共著書に、『経済学は何をすべきか』(岩井克人東京大学名誉教授らとの共著、日本経済新聞出版社)、『ROE最貧国 日本を変える』(『山を動かす』 研究会での共著、日本経済新聞出版)、『「市場」ではなく「企業」を買う株式投資』(川北英隆京都大学教授らとの共著、金融財政事情研究会)、『ファンド法制』(神作裕之東京大学教授らとの共著、財団法人資本市場研究会編・出版)、『総合分析 株式の長期投資』(川北英隆京都大学教授らとの共著、 中央経済社)がある。また連載寄稿に日本経済新聞 『日本株に魅力はないのか』がある。
慶應義塾大学経済学部卒。カリフォルニア大学バークレー校経営学修士(MBA)。
公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)『山を動かす』研究会発起人・幹事。

講師: 野間 幹晴 氏
一橋大学大学院国際企業戦略研究科 准教授

1997年一橋大学商学部卒業、2002年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程修了,博士(商学)取得。横浜市立大学商学部専任講師を経て、2004年より現職。2010年より2011年までコロンビア大学フルブライト研究員。著書には「日本企業のバリュエーション―資本市場における経営行動分析」(中野誠と共著、中央経済社、2009年)、「コーポレート・ファイナンス入門」(本多俊毅と共著、共立出版、2005年)がある。2013年 証券アナリストジャーナル賞受賞、2014年 日本会計研究学会賞。経済産業省「企業報告ラボ」座長、同「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト委員、同「ベンチャー投資等に係る制度検討会」座長。2016年よりバンダイナムコホールディングス社外取締役。

司会&パネリスト: ニコラス・ベネシュ
BDTI
代表理事

米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。J.P.モルガンにて11年間勤務後、M&Aアドバイザリー業務に特化する株式会社JTPを創設し率いる。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の成長戦略タスクフォース委員長を務める。2010年には、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対する意見を提供した金融庁主宰コーポレートガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシールの社外取締役を歴任した。2013年、金融庁主導の「コーポレートガバナンス・コード」制定の提案者として、担当議員及び金融庁にコード内容について詳細な助言を提供した。現在、イマジカ・ロボット ホールディングス (証券コード:6879)社独立社外取締役を務める。

 

BDTIについて

役員研修については実施している会社も多いとは言えず、研修内容も会社によって違い、まだまだ役員研修の分野は未発達です。会社役員育成機構(BDTI)の一日役員研修「国際ガバナンス塾」では会社法、金商法、CGコード、財務、ケーススタディなど役員として基本的な知識を身につけるための研修をはじめ、英語版ガバナンス塾のBoot Camp、役員だけでなく現場の方々にも基礎的な会社法やコーポレートガバナンスを理解していただくためのeラーニングなど多様な研修を行っております。

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