「経済プレミアのコンテンツとして初めて出版され、ビジネス書部門でベストセラーになった「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版、税込み1080円)。著者の今沢真・経済プレミア編集長兼論説委員の緊急報告会が2月22日、東京都千代田区一ツ橋の毎日ホールで開かれ、180人が参加した。
経済プレミアでは、昨年6月から東芝不正会計問題を「東芝問題リポート」と題して連載を始めた。現在まで連載記事は43本を数えている。これに加筆して1月30日、「東芝 不正会計 底なしの闇」が出版された。
今沢編集長によると、12月中旬に出版が決まり、たまっていた連載20本をもとに執筆を続け、6日間で原稿ができあがった。その直後、東芝の監査を担当した新日本監査法人への行政処分や、東芝の赤字額が過去最大の5500億円に膨らむといった大きなニュースが飛び込んだ。経済プレミアの連載を執筆しながら本の加筆も迫られ、大変な年末だったという。
1月30日に発売されるとまもなく、各書店のビジネス書部門で1位、紀伊國屋書店電子書籍・経済部門でも1位になった。その後2度にわたって増刷もされている。
日本企業トップ3の名門が……
この後、不正会計についての話が続いた。
「東芝が信頼を失った四つのできごとを本日ここで紹介し、なぜ不正会計が起きたのか、東芝が再生するために必要なことは何かについてお話ししたい。東芝は経団連会長を2人出した名門企業です。複数出した企業はほかに新日鉄住金とトヨタ自動車だけです。日本企業のトップ3、あるいは五本の指に入る会社です。それがどうしてこんなことになってしまったのか」
「四つのできごととは、(1)昨年5月の『決算発表延期、配当見送り』の発表(2)7月の第三者委員会の報告書(3)11月の旧経営陣5人に対する損害賠償提訴(4)子会社米ウェスチングハウスの1600億円の損失隠し発覚−−です。きちんと対応すれば、信用をここまで落とすことはありませんでした。でも、それができなかったのです」
今沢編集長は当時の写真などを会場で映して事態の推移を分かりやすく説明。「西田厚聡氏、佐々木則夫氏という歴代社長2人の対立、名門企業の甘えが不正会計の背景にあると思っています。東芝が再生するには、子会社の損失を誰が隠したのかなど、残された謎を東芝自身が解明し、公表することが必要です」と指摘した・・・。」
全文はこちら:
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160225/biz/00m/010/008000c