経済ジャーナリストの磯山友幸氏が東芝事件について、東芝に投資をしていた機関投資家の最終投資家に対する説明責任、東芝のメーンバンクの自行株主に対する説明責任が今後の大きな課題となってくることを指摘しています。
http://d.hatena.ne.jp/isoyant/20151124/1448340252
「。。。問題になるのが、金融機関としての今後の対応だ。実態を欺いてきた会社に、今後も融資し続けるのだろうか。もちろん、一気に融資を引き揚げれば経営に甚大な影響を与え、銀行自身も損失を被りかねないという「判断」はある。だが、追加で融資したりすれば、当然のことながら、銀行の株主への説明義務が生じることになるだろう。
さらに問題になるのが、金融機関が保有している東芝株の扱いである。粉飾があった2010年3月期末時点では、第一生命保険が2.72%、日本生命保険が2.6%、三井住友銀行が1.2%を保有していた。2014年3月末まで、基本的に保有株数に変化はない。
第一生命や日本生命など機関投資家が当時の財務状況や粉飾の事実をどこまで知っていたかは疑問だが、大株主として東芝から状況説明は受けていたはずだ。メーンバンクである三井住友は当然、状況を把握していたと思われる。
今後、機関投資家である第一生命や日本生命は、東芝株を持ち続けることができるのだろうか。長期にわたって資本市場を欺いてきた会社の株式に投資を続けるとなると、株主や保険契約者への説明は不可欠になる。
両者とも、昨年から導入された、機関投資家の行動指針を定めたスチュワードシップ・コードに従うことを表明している。株式保有を続けるためには、それが株主や保険契約者の利益になることが不可欠なのだ。」