「【コードの受入れを検討中の機関投資家の皆さまへ】
○ 2014年8月末時点で、すでに160の機関投資家 の機関投資家から、日本版スチュワードシップ・コード(以下「 本コード」)の受入れ表明が行われました 。
受入れの是非を検討中内外機関投資家におかれては、自らの置かれた状況を踏まえつつ 投資先企業との建設的な対話を促進するという、本コードの趣旨・精神を踏まえ、前向き なご検討をお願いたします 。
○ 特に、資産保有者としての機関投家( アセット・オーナー)による受入れは、本コード推進の駆動力の一つであり、大きな意味を持っています。
「受入れ表明」「スチュワードシップの基本方針」等については、自己のウェブサイトで公表頂くことが原則ですが、年金基金をはじめウェブサイトを有していない機関投資家に置かれては、金融庁指定のメールアドレスに送付して頂き、金融庁のウェブサイトに掲載することも可能としておりますので、前向きなご判断を歓迎いたします。
【コードの受入れを行った機関投資家の皆さまへ】
○ 本コードは、法令等に代表される「ルールベース・アプローチ」ではなく、「プリンシプルベース・アプローチ」を採用しています。
今般、これまでに本コードを受け入れたすべての機関投資家の「基本方針」等が出そろうこととなりましたが、今後、これらの機関投資家がスチュワードシップ活動を本格化していくに当たっては、本コードの形式的な文言・記載ではなく、その趣旨・精神に照らして真に適切な活動であるか否か、という観点を大切にして頂くようお願いします。
例えば、「対話」の回数自体を競ったり、外形的・機械的手法(box-ticking approach)のみで投資先企業を評価したりする「形式主義」は、本コードの趣旨・精神と相いれないものと考えられます。
○ また、本コードは、「最低限満たすべき水準の一律な実現」ではなく、それぞれの機関投資家が、自らの置かれた状況を踏まえた上で、創意工夫と差別化の努力を積み重ねていくことにより、全体として、これを超えた水準(ビヨンド・ミニマム・リクワイメント)の実現を目指そうとするものです。
従って、各機関投資家の「基本方針」等についても、「いったん公表したものは変えない」というのではなく、改定を積み重ね、さらなる改善を図っていくという考え方が、コードの趣旨・精神と整合するものと考えられます。
【受益者等の皆さまへ】
○ 本コードは、一律に遵守(コンプライ)することを求めるものではありません。例えば運用方針や規律などに照らし、一部についてコンプライすることが適当でないと考える事情が存在するのであれば、機関投資家は、その旨を受益者等に対してしっかりと説明(エクスプレイン)することにより対応することが想定されています。
その際には、形式的・表面的な説明や、ひな型(boiler-plate)的な説明は避けるべきですが、受益者等(アセット・オーナーを含む)におかれても、機関投資家がコンプライではなく、しっかりとエクスプレインを行っている場合には、機械的に消極的評価を行うのではなく、コードの趣旨を踏まえた評価に努めて頂けるようお願いいたします。
(以上)」