東芝の不適切会計問題を受けてコーポレート・ガバナンス向上に対して期待する「攻め」と「守り」のバランスに対する世論の論調が微妙に変化している事への懸念を山口弁護士がコメントしています。
「経団連の夏季セミナーでは、メーカーの社長さんから(東芝事件を受けて)「これでは社内の数値目標を強調することがむずかしくなってしまう」との声が出たと報じられており(こちらのニュース)、企業の攻めの姿勢に東芝ショックがどれほどの影響を及ぼすのか、その波及が懸念されます。」
こうした中で近々経産省が公表する予定の会社法改正に関する解釈指針に今改めて期待が表明されています。
「執行と監督の分離を推進すれば、それは執行から報告が来ない限りは不正を発見できなくなってしまうということになります。社外取締役が経営の重要事項だけに絞って審議に参画すべき、ということになれば、そもそも重大なリスクがどこにあるのか把握することも困難になります。経営のスピードを上げるため、非業務執行役員が経営陣の業績を評価するため、そして投資家が「モノ言う株主」としての活動を容易にするための解釈指針が公表されることを期待している」
「解釈指針では、(たとえば取締役会の在り方に関しては)リスク管理と企業価値向上への貢献をどのように両立させるべきか、またその両立の工夫をどのように株主に示すべきか、そのあたりが指針の中で分かりやすく解説されていればいいなぁと期待しているところです。」
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