「当該30社のうち、20社がすべての原則をComply(実施)するとし、残る10社が特定の原則についてComply(実施)しない理由をExplain(説明)している。それぞれの具体的な企業名は図表1のとおり。
10社がExplainした「実施しない原則」は延べ36件。そのうち29件は、「現在検討中」、「来年度実施」、「今後の検討課題」といった検討状況や実施時期の説明である。提出時点ではExplainとして記載はされているが、今後、Complyが予定ないし期待されるものであり、実質的にはComplyと同義であろう。
この29件のうち、項目別で6件と最も多かった原則は、いわゆる「取締役会評価」(補充原則4-113)である。海外の上場企業では一般的な慣行となっている取締役会評価5も、日本ではその取組みの理解もこれからという状況であり、「今後、手法も含めて検討」といったExplainに収斂している。
Complyせず、その理由をExplainしている7件をコード原則別に見ると、
(1)招集通知・情報発信の英訳(補充原則1-24、3-12)3件
(2)独立取締役(原則4-8等)2件
(3)政策保有株式(原則1-4)1件
(4)取締役会等の責務(補充原則4-41)1件
となっている。、、、、」