コーポレートガバナンス・コードには次の原則が書かれています:
(1)「取締役会は、収益力・資本効率等の改善を図る」べし
(2)「経営陣の報酬については、中長期的な会社の業績や潜在的なリスクを反映」させるべき
(3)「健全な企業家精神の発揮に資するようなインセンティブ付けを行うべき」
(4)「経営陣幹部・取締役の報酬を決定するにあたっての方針と手続き」を開示すべき
また国の成長戦略は、スチュワードシップコードを含め、あらゆる面において企業の組織的変革および収益力向上を促しています。こうした変革を実現するには、役員の報酬のみならず中間管理職含め業績連動型報酬の新しい仕組の導入が大きな役割を果たすものと思われます。
本セミナーでは、長年、経営者報酬コンサルタントとしてご活躍されているペイガバナンス代表取締役阿部直彦氏と田辺法律事務所の中西和幸弁護士をお招きし、以下のような内容をお話し頂きます。
経営者の業績連動型報酬の内外の潮流と傾向、および過度なインセンティブを避けるなどの報酬リスク管理体制についての考え方
役員業績連動型報酬制度の導入にあたっての報酬方針開示対応等について
講師陣が考える、中間管理職、執行役員等も含む包括的な「次世代型幹部報酬制度」の具体例。
次に、株式会社ディノス・セシール元取締役会長兼BDTI理事の上田昌孝氏から、ご自身の経験に基づき執行役員も含める業績連動型報酬制度の導入の際の組織上、経営上の課題とこれへの対応についてお話しいただきます。
続くパネル・ディスカッションでは、司会のベネシュから、業績連動型報酬から生じる”alignment of interests”によって海外投資家が日本企業にどのような組織変革を期待しているのか、また、米国の過剰なCEO報酬のような問題を起こさないためにどのような監視体制が必要かについてコメントした後、各人の立場から幹部報酬と会社業績および株主との関係についての議論を深めます。
本セミナーは、コーポレートガバナンス・コードの報酬関連項目への対応、および長期的な企業価値向上を実現するための「報酬戦略」の今後の方向性についての考え方を整理していただく良い機会となると思います。
【開催日時】 2015年9月3日(木)13:30 – 16:30 (開場 13:00)
【開催場所】 一橋大学一橋講堂 中会議室1
(東京都千代田区一ツ橋2丁目1番2 学術総合センター内)
http://www.ics.hit-u.ac.jp/jp/direction/index.html
【参加費】 一般・非会員 5000円(税込)
賛助会員 3000円(税込)
【定員】 40名
◆ お申し込みは以下のボタンをクリックしてください。
【講師】
講師: 阿部 直彦 氏
ペイガバナンス日本株式会社代表取締役マネージングパートナー
1985年慶應義塾大学商学部卒。1990年代、米国KPMG(ロサンゼルス)のディレクターとして大手日系企業の役員報酬プロジェクトを手掛ける。1997年以降、タワーズペリン(ロサンゼルスおよび東京)、合併後のタワーズワトソン(東京)で、大手日本企業に対して経営者報酬のコンサルティングを提供。2013年ペイガバナンス日本を設立、現在に至る。2002年以降、日本取締役協会の経営者報酬ガイドラインの作成のワーキンググループリーダーを継続して務める。
講師: 中西 和幸 氏
田辺総合法律事務所 パートナー弁護士
東京大学法学部卒、住友海上火災保険㈱(現三井住友海上火災保険㈱)に勤務し、1992年司法試験合格。1995年4月に弁護士登録し、田辺総合法律事務所に入所、現在に至る。2007年から2011年まで、第一東京弁護士会総合法律研究所会社法研究部会部会長に就任。また、日本弁護士連合会司法制度調査会の特別委嘱委員として、会社法改正に関わり、また社外取締役ガイドラインの作成に携わる。2013年度より日本取締役協会専門会員として、経営者報酬ガイドライン作成ワーキンググループに参加。これまでに㈱レナウンの社外取締役に就任し、現在は、㈱オーデリックの社外監査役を務める。公認不正検査士(CFE)の資格を持つ。
講師: 上田 昌孝 氏
KCJ GROUP 株式会社 エグゼクティブ・アドバイザー
株式会社ディノス・セシール 相談役
BDTI理事
1979年一橋大学経済学部卒業後、三菱銀行入行。1983 年から17年間、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルで勤務。個人カードビジネス担当バイスプレジデント、グローバル・ネットワークサービス日本/韓国地区担当責任者などの職務を担当した。2000年にAIGグループの通販保険会社アメリカンホーム保険会社に移り、2001年より会長兼CEO。2007年には、ライブドアが事件直前に買収した株式会社セシールのガバナンス再構築およびビジネス再建を委嘱され、同社会長兼CEOに就任。最終的には2013年の株式会社ディノスとの合併に導いた。現在、合併会社である株式会社ディノス・セシール取締役会長。これらに加え、ING銀行顧問(2007~2008)、香川大学客員教授(2010~2014)などを歴任。現在、賽詩麗(上海)有限公司董事長、NPO法人日本卵殻膜推進協会副理事長、子供向け職業体験施設Kidzaniaを運営するKCJ GROUPのアドバイザーなどを務める。著書として、「ダイレクトマーケティングの考えかた」(非売品)、「発信力の磨き方 上・下」(電子書籍)などがある。
司会&パネリスト:ニコラス・ベネシュ
BDTI代表理事
米国スタンフォード大学政治学学士号取得後、米国カリフォルニア大学(UCLA)で法律博士号・経営学修士号を取得。旧J.P.モルガンにて11年間勤務。米国カリフォルニア州及びニューヨーク州における弁護士資格、ロンドンと東京で証券外務員資格取得。現在、在日米国商工会議所(ACCJ)の理事兼成長戦略タスクフォース座長を務める。2010年より、法務省と法制審議会会社法部会に対し会社法改正に対して意見を提供している金融庁主催コーポレートガバナンス連絡会議に所属する。これまでに、在日米国商工会議所理事、同対日直接投資タスクフォース座長、内閣府対日直接投資会 議専門部会の外国人特別委員、株式会社アルプスの取締役、スキャンダル後の株式会社LDH(旧名ライブドア)、株式会社セシールの社外取締役を歴任した。その他、JTP代表取締役として数多くのM&Aアドバイザリーを務めた経験を有する。2013年より、日本の成長戦略の一環として金融庁主導でーポレートガバナンス・コードの策定構想を提案する。