ベネシュさんの強調される点は以下のポイントかと思われます。
* 独立取締役3名(機能的な委員会を構成するために必須)
* 独立委員会の活用(指名、報酬、不祥事調査、MBOを含むTOB)
* 独立社外取締役の社内情報取得の促進
* 取締教育(会社法、コーポレートガバナンス、リスクマネジメント、経営戦略、コーポレートファイナンス)
* 取締役評価
* Comply or Explainの活用
( http://judiciary.asahi.com/fukabori/2014102500001.html )
また、日本の会社の大部分が監査役(会)設置会社として残ることが予想される以上、この中で監査役(会)をどう活用すべきかも重要な点になると思います。
この点について独立委員会の活用では、「独立社外監査役一人は、決議権のないメンバーとして委員会に参加する」とありますが、不祥事調査については独立社外監査役に議決権を与えることは会社法とも矛盾しないと思います。
また、社外取締役と社外監査役の定期的な会合も有効です。私が社外常勤監査役をやっている会社では監査役会に3名の独立社外取締役が常に陪席しています。
独立社外取締役の社内情報取得の促進については常勤監査役と独立社外取締役の定期的な会議が重要かと思います。
「経営陣が「役員力」として不可欠な知識(会社法、ガバナンスのベストプラクティス、ファイナンス、経営戦略)を身に着けること」
「日本の会社役員は国際的に見ても極端にファイナンスの知識が欠けており、このことが「稼ぐ力」の低下につながっていることは間違いないだろう」
というコメントには全く同感です。ただ日本の社内取締役のほとんどは「自分は会社の中で能力が優れて選ばれた」「なんでいまさら教育を受ける必要があるんだ」という潜在意識をもっているので自ら教育を受けなければならないという自覚が薄いことが問題です。
この点についても監査役(会)による推奨など現在の制度でも改善の余地はあると思います。
取締役の評価についてはご指摘のように自己評価が最も取組みやすいと思いますが、これも取締役が自主的に始めることは期待できないのでコードに是非盛込みたいところです。
取締役によるCEOあるいは取締役会議長の評価、個々の取締役及び取締役会の実効性の第三者による評価については、即座に実行に移すことは現実的に難しいということを認識していますが、コードとして目標を高くしておくという意味ではコードの盛り込むべきだと考えます。
また、この点について監査役(会)がどういう役割を果たせるかも検討課題だと思います。同時に監査役(会)の評価についても重要な課題であると思います。
Comply or Explainの活用については、会社の具体的な取組みを説明する中でそれがベスト・プラクティスに繋がっていくという役割も重要だと思います。
この意味で、取締役会の第三者評価についても、すぐに遵守しなくても各会社に説明を迫るという意味でコードに採用することは重要だと思います。
コメント by 安田 正敏