[自民党案、今から注目?]  自由民主党 企業・資本市場法制プロジェクトチーム・法務等合同会議に出席

日本取締役協会は3月22日に自由民主党政務調査会で会社法制の見直しについて、関係団体のヒアリングに、日本取締役協会より2名が出席した内容を報告しています。このニュースが発表されてからすでに4ヶ月が経っていますが、最近の法制審議会会社法制部会の方向性をみて、会社法改正の最終決着はもしかして議会で付くことを考ると、自民党が3月にヒアリングを行ったことは今でも注目に値すると考え掲載いたしました。 

磯山友幸氏がお書きになったように、この時点では、「自民党政務調査会の合同会議が4月1日にまとめた「企業統治改革案について」では、「独立取締役」を複数選任するようにすべきだと述べている。独立取締役は、従来の社外取締役より厳格な独立性を持たせたものと定義している。自民党は法改正による義務付けを求めているのかと思いきや、そうではないらしい。自民党の文書には「上場会社における複数独立取締役の選任を上場規則で明定すべきであり、それができなければ法律で義務付ける」となっているのだ。つまり、一義的には取引所の定める上場規則で義務化すべきだとしているのである。」

日本取締役協会の3月22日サマリー
「自由民主党 政務調査会の法務部会・財務金融部会・経済産業部会・「企業・資本市場法制PT」・財務金融部会企業会計小委員会合同会議で会社法制の見直しについて、関係団体のヒアリングが行われ、太田洋・会社法制委員会副委員長(西村あさひ法律事務所パートナー弁護士)及び湖島知高・事務総長が出席しました。

太田副委員長からコーポレート・ガバナンスの強化を旗印としている当協会にとって今回の会社法制見直しは言わば、非常に重要な問題であるとして
・日本の資本・株式市場の現状、置かれている状況を考えれば、海外投資家にとってのわかりやすさを向上することは極めて重要である。
・日本の監査役制度はそれなりに意義のあるであるが、米国を初めとする諸外国において採用されているモニタリング・モデルの導入・普及が日本としても目指すべき方向である
・他方で、わが国のコーポレート・ガバナンスの現状に鑑み、現状を一歩でも二歩でも前進させる必要があり、必ずしも十分とは言えなくとも、次善の策としてこれを支持したいと考える
という説明を行いました。

自民党合同会議では「企業統治改革案(仮称)」が配られ、各団体から「案」の考え方に対する見解が求められました。
 太田洋副委員長からは、当協会の説明用資料を参照しつつ、
①「社外取締役の要件厳格化(独立取締役)」については、基本的に同じ方向性の意見であるが、主要取引先基準については、上場規則になじむと考えられる、
②「上場会社における複数独立取締役選任義務の明確化」については、意見として一致しているが、国としての姿勢を示す意味で法律によるべきである、
③「監査・監督委員会」については、モニタリング・モデルの導入・普及の一里塚として賛成している、
 等の見解を述べました。
 
 質疑応答の後、自民党側から「本日の議論を踏まえ、法務部会長を中心に、更に案を練っていく」との説明がなされ、終了しました。」 当日の配布資料のダウンロードはこちら

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