会社法改正、、何を、どうやるのか、、法律は門外漢だが日本でビジネスをするには、、

BDTIの第一回セミナーについて。大杉さんの問題提起はとてもよかったと思います。また、パネルの構成も審議会メンバー(ただしいくつかの点で意見を異にする)、投資家、実務の弁護士(社外監査役、社外取締役の経験あり)という組み合わせがよかったと思います。

ある意味で有益だったのは、藤縄さんがストレートに指摘し、河西さんが穏やかに論じた「何のための(誰のための)、ガバナンス強化であり、法律改正なのか?」「会社法でやることとそれ以外の手段をとることの(大杉さんのいうソフトローなど)の使い分け」が再度、正面から議論された方がよいことが浮かび上がってきたことです。
 
法律は専門外ですし自分なりの整理がまだできていませんが忘れないうちのメモです。

①印象で恐縮ですが、若干の取締役会参加経験はお持ちなようですが、真面目な学者であればあるほど(特に業績を上げようとしている若手は)審議会まではいいとして、会社実務には必ずしも十分なご経験がないようです。
 
②会社法での議論とそれ以外の議論(取引所規則や金商法)についての整理がこの部会で十分には行われないようです。霞ヶ関の縄張りと壁ですね。
 
③完全な印象論ですが、田中さんは「(会社)法学者」としての自覚と守備範囲の禁欲性を強く持つ(学者としては必要)、野村さんは、「自由度を増やすことで会社の自己責任にゆだねる」との考えからか、やや落としどころ、監査役選び方(従業員からの推薦)については、内部統制と絡めて対処、監査委員会のみの導入も選択肢に、、など。
 
④重点が、不祥事対応なのか?会社の業績改善なのか?などでやることは異なります。また、会社法だとあまりにも多くの企業に影響していまいます。中小企業(非上場)では、監査役の仕事は会計監査の方が重点?会計監査人がいなければ、税理士さんに監査役になってもらうような事例も多く存在します。
 
⑤田中さんのご発言で「上場企業だけを対象にする会社法改正も可能」というのがありましたが、金商法(というか金融庁)」との住み分けを考えると実現可能性はよく分かりません。大会社か否かといった区分なら分かりますが。
 
⑥野村さんのご発言では「監査役は適法性監査」ということで「社外取締役との責任のちがい」でビジネスデシジョンについての発言・関与しやすっを指摘されていました。法律上の暴論を承知で言えば、監査役を妥当生監に追い込むことはできないのでしょうか?それこそ上場企業のみでなら?
 
⑦ESGについて、会社法の先生と投資家のすれ違いを最後に感じました。河西さんいコメントをいただければ、投資家も長期で見たパフォーマンスで投資していくにはESGにより関心を高めているということではないでしょうか?野村さんのお答えは少しこの点への理解を若干深めていただきたく感じました(葛西さんと野村さんで意見交換するとお互いに有益そうに思います)。
 
⑧監査委員会だけの会社を作るなら、内部監査部門のレポーティングラインは、執行サイドではなく社外を中心とした監査委員会にするといった工夫があってもよいと思います。社外、社内、あるいは独立という形の議論もありますが、情報量が一定以上ないと有効には機能しません。常勤監査役の意義があるのはこの点ぐらいでしょうか。金融財政事情の9月19日号の48ページご参照ください。

⑨ソフトローといったとき、設定主体の信頼度や能力が重要です。東証と大証(上場企業)の統合がどう進むかは、日本の取引所の規制設定能力の判断基準になるのでは?
 

BDTIについて BDTIでは、取締役や監査役など役員として、また業務執行役、部長など役員を支える立場の方としての基本的な能力を身に着けるための役員研修「国際ガバナンス塾」を定期的に開催しています。(オーダーメイド役員研修も、承っております。)また、「会社法」「金商法」「コーポレートガバナンス」の基礎をオンラインで学べる低価格のeラーニングコースを提供しています。詳細はこちらから。講座の概要は以下の通りです。

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