ある研究によれば、親会社, PEファンドなど、支配権を持つ株主がいるほうがパフォーマンスがよい、という「証拠」(evidence)はありますが、独立社外取締役の有益性を示す「証拠」(evidence)はそれほどないようです。これは、ランドル・モーク(Randall Morck)教授の説明では、外国(例えば、米国)の「独立社外取締役」は十分に「独立」ではないからです。それは確かに一理あるでしょう。
①また、「パフォーマンスに影響を与える要因が多くある中、そもそも、そのうちの一つだけを取り出し、有益性を立証しようとすることにどれだけ意義があるのか。それよりも重要なのは、投資家や市場の信頼をより得る方法、不祥事を最小限にする方法は何かを考えるべきではないか」という意見もあります。
グローバル・コンバージェンスと投資家の信頼が大事なのは間違いありません。世界中の大手機関投資家は「独立社外取締役の導入義務付けが必要」と言っています。
②日本では「独立社外取締役について具体的な有益性を提示してほしい」という意見がよく聞かれますが、一方で、そのような意見を持つ人は「監査役の存在とパフォーマンスの向上の関係性について」の立証を決して求めません。 なぜでしょうか。 過去二十年、監査役はどれほど効果があったのか。
現実を直視しなければいけません。 (極端に言えば、「情報開示のとパフォーマンスの向上の関係性について」も誰も立証を求めませんし。)
最後に、日本に殆ど存在しない(従って、機能しない)支配権市場の議論もあります。
③独立社外取締役を導入しなければ、誰が株主の観点から防衛策の発動・不発動を決めるのでしょうか?
皆様は、これら三つのテーマについて、どう思いますか?