「動機」と「機会」、そして「正当化」の3要素がそろったことが、東芝の不正会計の原因になった――。
こう指摘するのは、日本公認不正検査士協会の濱田眞樹人・理事長だ。公認不正検査士は、会計と法律、調査、犯罪学という4つの分野で専門知識を磨き続ける、企業不正対策のプロフェッショナル。倫理観が高い多くの東芝社員が「会社のため」と言い訳をしたことが、不正の根底にあると濱田氏は話す。
財務諸表の虚偽記載は「重大な犯罪」
―7月21日に公表された、東芝の第三者委員会報告書をどう読みましたか。
濱田:これから証券取引等監視委員会や捜査当局の調査が始まる可能性があるので、現時点で展開を断言するのは難しい。しかし、報告書ではっきりした点は大きく三つあります。
まずは、東芝が公表した過去の有価証券報告書に虚偽記載があったこと。そこには、経営トップを含めた組織的な関与があったこと。そして、東芝社内の内部統制が無効化されていたことです。
一部ではいまだに「不適切会計」という言葉が使われています。しかし、この報告書を見て単なる「エラー」、あるいは「誤謬」だったと考える人はいないでしょう。何らかの意図が働いた「会計不正」と言うべきだと考えます。
上場会社が正確な財務諸表を公開することは資本主義の基盤です。さもなければ、一般投資家を守れない。財務諸表を偽ることは、重大な犯罪だと認識しないといけません。。。」
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