BDTIでは、東芝事件の根本的の原因の一つは、外部機関による徹底した役員研修の欠如だと思っています。執行役員の全員にその段階で(つまり役員になる前の段階で)役員研修を義務付けていたら、より早いタイミングで社外取締役などへの内部通報で暴走が止まったと思われます。東芝の第三者委員会も同じ考えのようです。
東芝の第三者委員会の報告書、289頁
「(3) 経営トップ等の意識改革
まず経営トップ自らが、コンプライアンス重視の姿勢を堅持し、上場企業における適切な財務報告の重要性を自覚するとともに、一旦今回のような不適切会計が発生した場合には、市場やステークホルダーからの信用を失墜し、企業価値を著しく毀損する事態となることを十分に認識し、あるべき確固たる企業倫理(企業理念)を策定・構築することが重要である。
その上で、経営トップから全役職員に対して、コンプライアンス重視と適正な会計処理の重要性とその励行について、トップメッセージとして発信し、公正かつ透明性のある企業風土を醸成すべきである。また、経営陣である取締役、執行役のみならず、従業員においても、コンプライアンス意識の向上と上場企業における適正な財務報告の重要性と適切な会計処理に向けた意識を涵養、向上させるために、研修、指導監督を継続的に実施し、人材育成に努めるべきである」
東芝の第三者委員会の報告書
http://bit.ly/1MUQk0A
BDTIが提供している一日役員研修のスタンダード『国際ガバナンス塾』、次回の開催は9月15日(火)です。詳細、お申し込みはこちらから。