COMEMO:「ESGを大学でもっと取り上げよう」

「千葉商科大学が給付型奨学金の安定的な原資形成等を目的として10億円をESG投資に充てると発表しました。もちろんそれ自体も素晴らしいことですが、学部横断的な特別講義「サステナブルな暮らしを考える」を展開しており、事業活動・財務活動の両面でESGの推進に努めています。以下の記事でも説明していますが、このような動きは社会全体で進めるべきで、大学がその重要な一翼を担うと考えています。」

https://comemo.io/entries/8496

ESGや企業との対話に関するファンドマネージャーの議論をとりまとめました

アクティブファンドの活動が活発になるなか、経済産業省が先日ESGや企業との対話に関するファンドマネージャーの議論をとりまとめたようです。「ガイダンス」という一見抽象的な概念の実務への落とし込みについての、詳細な意見交換がレポートとして作成されております。

http://www.meti.go.jp/press/2018/06/20180625001/20180625001.html

COMEMO:「「ESG=投資撤退」ではない」

「前回取り上げたノルウェー政府年金基金は「投資撤退(ダイベストメント:divestment)」の活動で注目を集めることが確かに多いです。実際、先月の日本経済新聞の記事では石炭火力発電比率の高い日本の電力会社6社から資金を引き上げたことを取り上げています。」

https://comemo.io/entries/8300

ESGとSDGsとの関係

最近、ESG投資の話題を持ち出すと、SDGsで話しましょうと言われることが多くなった。

Environment, Social, Governanceを重視する投資と、 国連が掲げるSustainable Development Goalsとの二つは、どのような関係にあるのだろうか。識者の整理は種々あるようだが、ざっくり見るには、次で良いのではなかろうか。つまり、コーポレートガバナンス・コードができたので、Gは焦点が絞りやすくなったが、ESGのEとSは何を指すのか未だふわふわしている。その点、SDGsは開発のゴールが17個設定されているので明確であり、取り組み対象を設定しやすい。だから、ESGのGを少し横に置いて、ESを詳しくしたのがSDGsである、と。投資家と事業会社が対話するときには共通言語が必要であるが、より詳しく対話する際にSDGsが役立っている模様である。

金融庁から「金融行政とSDGs」が公表された。

金融審議会ディスクロージャーWGに係る意見 (ニコラス・ベネシュ)

ニコラス ベネシュ(個人として)
平成30年5月18日
  1. 総論

企業の持続的・長期的な成長のため、いわゆるESG(環境・社会・ガバナンス)の投資手法が日本でも広まってきていますが、私はこれまで、この中でも特に「G(ガバナンス)」が重要であるという認識のもと、コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードの制定・発展に寄与すべく、金融庁や日本取引所グループ等に対して様々な働きかけを行ってきました。今では、日本のコーポレートガバナンスは、(もちろんまだ不十分な点も多いですが)世界的に見ても急激な発展を遂げていると評価できます。

そうした中、企業情報の開示・提供は、企業と投資家を結び付ける重要事項です。しかしながら、今のままでは、この点で日本は主要国から遅れを取る恐れがあると言わざるを得ません。いかに近代的なコーポレートガバナンス原則の枠組みを構築しても、多数の企業の比較分析が可能な形でそれぞれの企業の現状が投資家に伝わらなければ画に描いた餅になってしまいます。コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードを車の「両輪」として機能させるため、企業情報の開示・提供のあり方を検証し、整備することは、今日本において最も必要な喫緊の課題であると考えています。(このことは、コーポレートガバナンス・コードを提唱する時から私が強調していた点です[1]。)

以下、この点に関して私がお伝えしたい点をいくつか述べます。

BDTI/METRICAL共同研究アップデート:「CGプラクティスと価値創造のリンケージ」

BDTIとMETRICALは、「CGプラクティスと価値創造のリンケージ」を共同研究しているが、このほど時価総額約100億円超の約1,800社の上場会社について2018年4月末の分析結果をアップデートした。

本分析では、CGプラクティスをボードプラクティスとアクションに分けて考えた場合、ボードプラクティス(取締役会の運営体系)とアクション(実際の企業行動)が価値の創造の指標とされるROE, ROA, トービンのqと有意性のある相関があるかを分析している。

CGコード導入以来、それ以前に比較して一定程度のボードプラクティスの改善は進んだと言えるが、株式会社の目標が価値の創造であるという前提に立った場合、その改善が価値の創造に繋がっているか定点観測することに意義があると見ている。

今回の分析結果において確認されたことは、次のようにまとめられる。

コーポレートガバナンス・コードの改訂に関するパブリックコメント (ニコラス・ベネシュ)

ニコラス ベネシュ(個人として)
平成30年4月27日

1. CGコードの改訂案全般につい
2. 原則2-6(企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮)について
3. 原則1-4(政策保有株式)について
4. 原則4-1③、原則4-3②及び原則4-3③(CEOの選解任)について
5. 補充原則4-10①(任意の仕組みの活用)について
6. 原則4-14(取締役・監査役のトレーニング)について
7. CG報告書における機械可読フォーマットの改訂について

1. CGコードの改訂案全般について

フォローアップ会議の今回の検証について、皆様のご努力に感謝します。しかし、今回の改訂の提言までには4年もの時間がかかっています。ご存じのように、ドイツではガバナンスコードの実効性を常に監視する委員会があって、必要に応じて毎年でも改訂すべき点が提案されています。我が国の製造業において培われてきた「良いものを作る」、「絶えず改善する」の精神に則り、少なくとも3年に1回は、必ずCGコードの運用改善に向けてレビューするプロセスが実施されるべきであり、予め今後のタイミングとプロセスを設定しておくべきと思料します。そうしなければ、いつの間にか官僚頼みになってしまいます。具体的には、CGコードの冒頭の部分(「コーポレートガバナンス・コードについて」)で、具体的な次期改訂スケジュールを明記することが望ましいと思料します。

GPIF「「第3回 機関投資家のスチュワードシップ活動に関する上場企業向けアンケート集計結果」 の公表について」

GPIFが標記のアンケート結果を公表した。内容は以下のリンクから閲覧可能。

http://www.gpif.go.jp/operation/pdf/stewardship_questionnaire_03.pdf

前回まではNikkei JPX 400選定企業を対象としていたが、今回から東証1部上場2,052社に対してアンケートを実施している。その内容について所見を述べたい。

1.IRミーティングにおける中長期視点の議論増加

アンケート結果の概要では以下のように記述されている。

「IR ミーティングにおける機関投資家の議論の時間軸は、「経営戦略」に関しては、半数以上の企業が「中長期視点になってきている」と回答。前回アンケートとの比較では、資本効率などでショートターミズム化しているという回答が大きく減少。」

環境ビジネス:「投資家が評価する「人財」ポイント」

「従業員は「人財」と表現される等、企業活動の重要なステークホルダーとして捉えられつつも、配慮の視点は多岐に亘る。一方ビジネスパートナーにも従業員に準じた対応が求められるものの、改善の余地が大きい。本稿では従業員・ビジネスパートナーに対する投資家の視点を紹介する。」

https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/pdf/company/publicity/2018/180405_kuroda.pdf