スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議(第5回)議事録

金融庁

こちらは平成28年1月20日(水)に開催されたフォローアップ会議の議事録です。この会議の資料はこのフォーラムの最後にてダウンロードできます。

「【池尾座長】
定刻過ぎましたので、ただいまよりスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議、第5回会合を開催させていただきたいと思います。

皆様には、ご多忙中のところ、ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

それで、本日は、前回に引き続き、取締役会等をめぐる論点についてご議論いただきたい。積み残しもたくさんあるので、ちょっと集中して議論をお願いしたいと思っています。

それから、本日意見書を提出いただいている小口メンバーとか、前回意見書を提出していただいた冨山メンバーを含めて、多くのメンバーの方から、6月総会を採用する上場企業の場合、各企業は1月から2月にかけて次期の取締役選任の方針を決定するということがあるので、そうした意思決定の一助とすべく、本会議の取締役会等に関する議論について現時点での一旦の取りまとめというのを行って、公表すべきではないかという意見を頂戴いたしております。

こうしたご意見を踏まえて、近くフォローアップ会議としての意見書を取りまとめるということも視野に入れた形で、本日議論をしていただければと存じます。よろしくお願いします。

それでは、まず、金融庁より本日の論点につきましてご説明をお願いします。

【田原企業開示課長】
それでは、お手元の資料1につきましてご説明をさせていただきます。大きく前半と後半に分かれておりまして、前半は1ページから5ページ目までの「会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取締役会のあり方」、それから後半は、6ページ以降の「監査機能の適切な発揮」ということになってございます。

1つ目の大きな論点であります「会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けた取締役会のあり方」でございますけれども、こちらにつきましては、これまでにご議論いただきました内容をまとめさせていただいたということでございます。ご説明を差し上げますと、コード導入半年を過ぎまして、上場企業の取締役会に大きな変化が起きているというご紹介がございました。ただ、一方で、コードへの対応というのは、6カ月ということでございますので、これから取組みが本格化していくところということでございます。

その中で、この会議の趣旨としてお願いいたしました形式から実質ということをご議論いただく中で、問題意識としては、そもそもやはりコーポレートガバナンスについての議論の契機というのは、上場企業を取り巻く環境というのが大きく変化する中で、日本企業の多くがこういった環境変化に対応できていないのではないかということにどのように向き合うかということから議論が起こったのではないかと承知しております。

したがいまして、こうした環境変化に対して、上場企業が持続的に成長し、中長期的に企業価値を向上させていくためには、やはり最高経営責任者を中心とする経営陣によりまして、絶え間ない先見性のある、適確な経営判断が行われる必要があると。

こういった判断をしていくCEOの果たす役割というのが非常に重要だということについてはこの会議でもご議論をいただきまして、その選解任に当たっては、客観性・適時性・透明性あるプロセスが求められると。また、CEOをはじめとする経営陣を監督する取締役会の役割というものにつきましては、何よりも独立性・客観性を確保する必要がありまして、そういった独立性・客観性のもとに、ここに掲げてありますような原則4-1から3にある役割を果たすと。このような立てつけになるのではないかということを整理させていただいたところでございます。

そういった中で、具体的にどういったことをしていくかという各論に入りますと、その次に書いてあります取締役会の構成・運営・評価ということについてこれまでご議論をいただいたと思います。以下、2ページ目以降に、構成・運営・評価について具体的なものが書いてございますが、こうした取組みを、繰り返しになりますが、形式的ではなく、実質的にしていくと。実質の充実につながるという観点で、今までいただいたご議論というのはこういうふうに整理できるのではないかということをまとめさせていただいたものでございます。

1つ目の構成でございますけれども、各企業を取り巻く環境にどのように対応して持続的成長をなし遂げていくか、そういう観点を持った上で、CEOの選解任ですとか、戦略的な方向付け、監督などに取締役会がしっかりと臨んでいくためには、適切な資質・多様性を備えた取締役会の実現が必要だというご意見、それから、独立性・客観性を担保していくことが重要であるというご意見を頂戴したと理解をしております。

その下に、取締役会の構成につきましては、4点まとめさせていただきまして、まず構成につきましては、会社の事業・ステージに応じた取締役会メンバーの資質のバランス、多様性を充実させる取組みが見られ、こういった取組みを進めていくことが必要ではないかということでございました。

取組みの例につきましては、この会議でいただいた例などを取組みの例ということでまとめさせていただいておりますけれども、下の脚注をごらんいただきたいと思いますが、こういった例を掲げますと、これを形式的に守らないといけないのではないかというような話にすぐなるというご指摘を頂戴いたしまして、これはあくまで例示であるということについて書かせていただいているところでございます。以下、取組みの例については同じでございます。

それから、独立社外取締役につきまして、選任が進んできている。取締役会の3分の1以上の独立社外取締役を選任している企業も東証第一部上場企業の1割以上に上るというようなご紹介がございました。そういった中で、独立社外取締役につきましても、人数の増加だけでなく、資質のバランスや多様性の充実といったところにステークホルダーの関心が移ってきているということで、こういった面での取組みということも必要ではないかというご指摘を頂戴したと考えております・・・。」

議事録全文はこちらから:
http://www.fsa.go.jp/singi/follow-up/gijiroku/20160120.html

配布資料:

資料1取締役会等をめぐる論点(3)(PDF:133KB)

資料2コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(2015年12月末時点)(PDF:106KB)

資料3取締役会関連 参考資料(原則3-1(iv)等に基づく開示)(PDF:150KB)

 

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