日本再生ビジョン「3. 人間力の強化」についての私見

日本再生ビジョン:https://www.y-shiozaki.or.jp/contribution/pdf/20140523184536_1GxK.pdf

同章では人的資本の拡充、そのための具体的な政策について提言されている。

「(1)柔軟で多様な働き方ができる社会の実現」では雇用制度の改善が提言されている。政府からの規制の他、日本企業は既に国連グローバル・コンパクトを含む様々な国際的なイニシアティブに自発的に参加している。どのイニシアティブに参加しているかを把握した上で、企業のコンプライアンス負担を軽減するためにそれらと大きく異なる政策は避けるべきである。特に欧州では機関投資家が人権NGOからの申し立てを基に日本企業での労働慣行を問題視しているケースも散見され、その懸念払拭が海外の優秀人材の獲得にも有効である。

また大学ガバナンス改革の必要性について述べられているが、大学に求められる役割はそれまでの学生生活と社会人生活の橋渡しであり、そのギャップを限りなく狭めることである。大学生活の早い段階から出口である就職、その他の選択肢について意識させる工夫が一層重要になる。講義内容も単に理論を説明するだけではなく、現在進行中の問題について理論をどのように応用できるかの討論を織り交ぜたり、企業・研究機関から内容と関連した外部講師を招致したり、現実社会との接点を常に持たせることが必要である。企業は大学への出張講義・産学連携に積極的であり、大学の受け入れ態勢が整えばこれらの拡大は可能である。

最後に企業内での人材育成に関連してESG(環境・社会・ガバナンス)項目の研修を毎年実施すべきである。当然ながらBDTIが提唱するように経営層がまずその必要性を認識・実行し、全社的な取り組みを推進する必要がある。もちろん企業の行動規範やコンプライアンスに関する研修は既に行われているが、実際には企業の不祥事は後を絶たず、また一過性の問題として捉えられがちである。経済産業省の伊藤レポートで述べられているように顧客・従業員・取引先・コミュニティ・環境等様々なステークホルダーとの協働で企業価値は形成されている。その企業価値毀損リスクの低減としてESG項目の研修・実施状況のモニタリングは必須である。そして如何に優れた体制を整えようと従業員がそれを形骸化する行動を取れば、すぐ企業価値毀損につながることを強調しなければならない。

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