ビジネス法務の部屋: 『「不祥事は起きる」を想定した内部統制システムの構築』

「さて3月25日の日経朝刊記事に、「企業の経済不祥事、日本では内部者関与が8割」という見出しで、海外では内部者が関与する経済不祥事が全体の5割程度であるのに対して、日本ではなんと8割に及ぶということが報じられていました。海外では外部第三者からの攻撃が多いということの裏腹かとは思いますが、調査をしたPwC(プライスウォーターハウスクーパース)の担当者の方も述べておられるとおり、日本企業では内部関係者関与による犯罪への意識が十分でないことも理由のひとつかと思います。

毎度申し上げているとおり、日本では「不祥事は起きない。起こさないために何をすべきか」という出発点からコンプライアンス体制の構築を行う傾向にありますが、そろそろ「不祥事は起きる。起きたときどうするか」という出発点から体制構築を検討すべきだと思います。内部者への信頼度が高いことは決して悪いことではありませんが、あまりに「不祥事は起きない」と過信してしまいますと、実際に不祥事が発生した際に思考停止に陥り、早期発見が困難になります。先のPwCの調査結果でも、海外企業に比べて日本企業の不祥事被害額が極めて大きいのも、実際に不祥事が発生した場合の対応が遅すぎるところにも起因していると思います。」 

(続く)

http://yamaguchi-law-office.way-nifty.com/weblog/2014/03/post-31b4.html

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